化粧品のプロモーションは、時代の移り代わりに合わせて、効果的・最適なPRや広告が実施されてきました。
このページではこれまでの化粧品プロモーションの課題や2019年最新の化粧品プロモーション戦略についてご紹介します。
SNSや動画メディアが広く普及している現在の化粧品プロモーションのトレンドは、動画を活用した動画マーケティング+インフルエンサーマーケティングです。
これまでの化粧品市場の課題
◇市場のEC(オンライン)化が徐々に進む
インターネットの普及によってネットショッピング市場は非常に大きくなっており、その流れは化粧品市場も受けており各社化粧品メーカーはECサイトでの販促・プロモーションを強くしています。
2015年では3,693億円だったオンラインの化粧品市場は2018年で4,292億円、2019年には約4,500億円にも上ると見込まれています。
そのうち約75%はスキンケア商品が占めているため、今後はスキンケア商品以外の販売が伸びていくとオンラインの化粧品市場はさらに拡大していくと予想されます。
◇化粧品は実際に店頭で試してみてから購入したいユーザーが多い
化粧品のオンライン市場は拡大していることは確かですが、オンライン市場全体と比べると化粧品のオンライン市場の伸び率は相対的に低い水準となっています。
化粧品のオンライン化が進まない要因としては、初めて購入する化粧品は実際に店頭で試したうえで購入したいと考えているユーザーが多いことが挙げられます。
そのためECサイトで購入する化粧品はリピートのものが中心になっていると考えられ、リピート率が5〜20% と言われる化粧品の分野においてはEC化がオンライン市場全体よりも低い水準となっています。
また、化粧品はいわゆるデパコスと呼ばれるデパートで販売されている化粧品から、ドラッグストアなどでも購入できるプチプラ商品など、販売先(チャネル)を多く持っており、それが定着していることも要因として挙げられます。
2019年最新の化粧品プロモーションはSNSによる動画マーケティング
冒頭でもご紹介したように、2019年の化粧品プロモーションのトレンドは、インスタグラムやYouTubeなどのSNSを利用した動画マーケティングです。
続いては動画マーケティングの特徴や目的などについてご紹介します。
◇ECサイトでの購入のみを目的としない動画マーケティング
オンライン市場の拡大に合わせて化粧品メーカーもECサイトでの販売促進をおこなってきましたが、市場規模拡大の停滞によってECサイトの売り上げを伸ばすのではなく、実店舗も含めた全体での売り上げアップを目的とするマーケティング戦略が効果的という考えが広まっています。
トレンドの動画マーケティングはECサイトへの誘導も可能ですが、動画で魅力を伝えることでユーザーに商品を検討してもらい、実店舗での購入を促すことも可能です。
このようにECサイトへの誘導(商品の訴求)よりも認知拡大を主な目的とした動画マーケティングが現代のニーズとマッチしている戦略といえます。
◇企業による動画配信ではなく影響力のあるインフルエンサーの起用がトレンド
企業にとって動画マーケティングのデメリットとして、企業の発信する動画はユーザーにとって広告と捉えられてしまうことが多いためエンゲージが悪くなる点や、そもそものフォロワー数が少ない・増えないなどが挙げられます。
そのため、一部の大手化粧品メーカーを除いては、フォロワー・影響力ともに大きなインフルエンサーを起用した動画マーケティング、つまりインフルエンサーマーケティングが有効とされています。
企業のアカウントでフォロワー数を増やす・エンゲージメントを伸ばすには、かなりの長期間にわたってSNSやメディアを運用していくことが必須ですので、短期的な売り上げを伸ばすことができません。
トレンドの移り変わりの激しい化粧品においては短期目線の売り上げも重要です。そのため、多くの企業ではSNSの運用に力を入れるのが難しい現状があるので、ユーザーニーズだけではなく企業のニーズにもマッチしているのがインフルエンサーマーケティングです。
化粧品プロモーションを展開するメディアの選び方
ここからは化粧品の動画マーケティングを展開するメディア選びのポイントについてご紹介します。
◇Instagramは検索エンジンとしての役割も大きくなりつつある
画像や動画を投稿するSNSのInstagramは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンではなくInstagramを利用して商品を検索するユーザーが増えています。
気になる商品の口コミやおすすめの商品をタグで検索するとインフルエンサーはもちろん、一般ユーザーの投稿も出てきますので、リアルな口コミを重要視するユーザーに情報をリーチすることがInstagramでは可能です。
また、Instagramでは可愛い・おしゃれな、いわゆるインスタ映えする商品は目を引きやすいので、外観などに力を入れている商品はInstagramでのプロモーションが有効です。
◇YouTubeは実際の使用感やレビューを伝えやすい
YouTubeはInstagramとは違い、一般ユーザーの口コミはなかなかありませんが、インフルエンサーによる投稿で効果的なプロモーションが実施できます。
YouTubeであれば長い動画も投稿可能なため、商品紹介はもちろん、実際に使用している映像、使用してみたレビューをひとつの動画で全て届けられるので、商品の魅力をしっかりと伝えることができます。
利便性が高い・実用的・コスパがいいなどの特徴を持った化粧品の動画プロモーションはYouTubeがおすすめです。
ただし、YouTubeでの動画プロモーションはインフルエンサーの起用が基本となりますので、施策のコストは大きくなるケースが多いです。
話題になる化粧品プロモーションの共通点とは?
では最後に話題になる化粧品プロモーションに共通している2つのポイントについてご紹介します。
全ての施策でいえることですが、ただ施策をおこなえば成功するわけではありませんので、プロモーションを成功させるためのポイントは押さえておきましょう。
◇SNSやクチコミサイトなどを上手く活用
株式会社サイバー・バズの「購買行動とインターネット上のクチコミ情報の関係性」という調査では、94%ものユーザーが口コミサイトやSNSを活用しているという結果が出ています。
口コミサイトやSNSの中でも具体的な使用感や体験談を重要視するという声が多く、企業がプロモーションをおこなう際にはそれらを有効活用することで効果的なプロモーションにすることができます。
◇商品の特徴ではなくユーザーの悩みや問題を解決する
化粧品を購入する際にユーザーは「透明感のある肌にしたい」「肌の悩みをカバーしたい」などの悩みや、現在使用している化粧品への不満を持っていることが多いです。
使用している化粧品から自社の化粧品に使用を変更してもらうには、化粧品の特徴を伝えることも重要ですが、ユーザーの悩みや問題をその化粧品を使用することによって解決できるということを伝えることができると、消費行動へ移りやすくなります。
まとめ
インフルエンサーを起用するにはコストがかかりますが、その費用対効果は従来の広告などよりも高い費用対効果を生み出すことができます。
インフルエンサーを起用する際のポイントはどのインフルエンサーに依頼をするのかというキャスティングです。
インフルエンサーのキャスティングに関しては、「インフルエンサーのキャスティングについて 探し方~依頼まで徹底解説!」のページで詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
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